2020年度独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業 「音声ガイド作成連続講座~映像と視覚障害の方の懸け橋になろう~」活動報告書 一般社団法人ウイズタイムハウス 2021年3月 1 . 一般社団法人ウイズタイムハウスとは 一般社団法人ウイズタイムハウスは、2018年2 月5日に設立した非営利型の一般社団法人です。 2018 年5 月に練馬区大泉学園町にオープンしたシェアハウス「ウイズタイムハウス大泉学園」の管理運営をするために誕生しました。 シェアハウスは、高齢の人や障害のある人、その家族などがひとりでも家族でも暮らせる、福祉制度とは違った柔軟な住まいを作ろうという趣旨で運営しています。 今まで、軽度の知的障害や精神障害のある人、高齢の人、若くてひとり暮らしに不安を感じている人などが暮らしてきました。 現在、一般社団法人の活動はシェアハウスの運営の他にも、以下のようなものに広がっています。 ①孤立防止のための居場所づくり 月1回のイベントを通じ、地域で暮らすひとり暮らしの高齢の人や障害のある人が集い、生活上の困りことを相談できる場づくりをしています。 2020 年11月に行なったウイズタイムハウス大泉学園での庭づくりワークショップでは多くの高齢の方や障害のある方が活躍してくださって、可愛い庭を作ることができました。 今後、既存の通所施設につながっていない方が活躍できる場づくりを充実させていけたらと考えています。 ②居住支援法人事業 住宅セーフティネット法に基づく居住支援法人として、ウイズタイムハウス大泉学園に入居を希望する方だけではなく、住まい探しや生活のことでお困りことを感じている方の 相談を受けています。不動産屋さんや福祉事務所への同行支援なども実施しています。来年度は、練馬区以外の自治体での住まいの取り組みをスタートさせることも検討中です。 ③障害のある人が主役として活躍する事業 今回の音声ガイド講座では、視覚障害のある方が講師、スタッフとして事業を実施してくださいました。 来年度もこの活動を継続するとともに、来年度の新規事業として、強迫性障害の当事者による啓発 相談事業を実施する予定です。 2.音声ガイド講座を始めるまで 2019年、一般社団法人ウイズタイムハウスの1周年記念イベントとして「ヨコハマメリー」という映画を上映しました。 その際に、既存の音声ガイドを 映画につける方法を美月めぐみさん、鈴木橙輔さんに教えていただきました。 その経験から、私たちの住む練馬区という地域で、自分たちの手で、上映したい 映画に音声ガイドを作り、つけるという活動をしていきたいという思いが高まりました。 そして、2020年度の福祉医療機構・社会福祉振興助成を受けて、今年度の一連の講座を実現することができました。 3.実施状況 2020年 6月20日 講師・スタッフのオンライン打ち合わせコロナの状況下での実施方法の検討。 助成金申請時に計画していたまちあるき、ランチミーティングはコロナの状況を見ながら可能な場合に実施することとし、メインは音声ガイド講座を 中心にオンライン併用での連続講座とすることに。 7月4日 講師・スタッフ打ち合わせ 受講生の募集要件の確認、題材とする作品の検討 8月14日 講師・スタッフ打ち合わせ 作品の決定、講座の流れの確認 9月13日 講師・スタッフ打ち合わせ 視覚障害の当事者スタッフ募集の方法の確認、行事保険の確認 受講生向けオンライン説明会の実施 https://www.youtube.com/watch?v=6uDNiLqAu6Q&t=52s 9月16日 講師・スタッフ打ち合わせ 受講申し込み状況の確認、オンライン併用による音ズレの問題の検討、密を避けるため会場を2か所に分けることを決定 10月2日 講師・スタッフ打ち合わせ 講座初日の流れ確認、会場2か所のオンライン環境のチェック 10月3日 音声ガイド講座①オリエンテーション 10月10日 音声ガイド講座② 今回の題材の作品視聴 10月17日 音声ガイド講座③ 音声ガイド作成1回目 10月24日 音声ガイド講座④ 音声ガイド作成2回目 10月31日 音声ガイド講座⑤ 音声ガイド作成3回目 11月7日 音声ガイド講座⑥ 音声ガイド作成4回目 11月14日 音声ガイド講座⑦ 音声ガイド作成5回目 11月21日 誘導体験まちあるき 12月12日 音声ガイド講座⑧ 今回の音声ガイドのまとめ 12月26日 音声ガイド講座⑨ 音声ガイド練習 2021年 1月16日 音声ガイド講座⑩ ライブ音声ガイド体験 2月27日 オンラインミーティング 3月20日 音声ガイド講座⑪ 音声ガイド成果報告会 4.今回の音声ガイド講座の内容 講師に「バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり」の美月めぐみさん、鈴木橙輔さんをお招きしました。 視覚障害のある当事者の立場で音声ガイドに意見を述べるスタッフは3 名、事務局スタッフ3名という体制で実施しました。 音声ガイド作成を経験する受講生は9 名でした。 作品は20 19 年に制作された 「子どもたちをよろしく」という劇映画としました。 初めて音声ガイド作成を経験するには劇映画のほうがつけやすいという講師の判断、 また音声ガイドを作成することに協力的な配給会社様からのお勧めがあり、本作品に決定しました。 ①オリエンテーション (10月3日) 受講生 スタッフの自己紹介、参加動機について各自お話をした後、講師から音声ガイドの基礎知識について次のような説明がありました。 ・音声ガイドには、プロレスや結婚式、舞台演劇にも取り入れる事が可能。 まだまだ発展途上。色々なやり方を模索中。 ・まだまだ音声ガイドを知らない人も多く、視覚障害者でさえ知らない方も多い。 ・講座資料として「音声ガイド七か条」を提示。しかし、優先順位は作品によってケースバイケース。正解がないことも多い。 ここで、音声ガイドづくりを初めて経験する受講生が、短いアニメ動画に音声ガイドをつける練習をしてみました。 それを聞いた視覚障害当事者スタッフの感想は以下のようなものです。 ・状況が分かって、すこくよかった。 ・音声ガイドの有り無しでは全然ちがった。音声ガイドによりしっかりイメージができたことで、状況がより理解できた。 ・傘が出てくるシーンのガイドが具体的で分かりやすかった。 ・音とセリフからしか得られない情報が、音声ガイドで具体的にイメージできた。 情報量が増える事で、感動も増えた。 ・初心者の方でも、ひとりが一声入れるだけで、すこくイメージが沸いた。 それに対し、音声ガイドを経験した受講生の感想は、 ・思ったよりも情報量が多く、ガイドを入れるタイミングも難しい。 ・「間」の情報が多い。形に注目すると色を忘れたりする。情報を言葉にするのは難しい。 ・ガイドを言葉で入れた後に、セリフでその言葉が出てきてしまった。 ・自分の仕事での事業として出来ないかと思ったが、やりがいがあっておもしろかった。やり方によって、もっと手軽に取り入れられると思った。 ・一般的な言い回し、誰にでも分かる言葉の選定も大事だと思った。言葉選びや文章の組み立て方にもセンスが問われると思った。 ②音声ガイド講座2回目 (10 月10 日) 今回の題材となる「子どもたちをよろしく」を視聴しました。 子どもたちを取り巻く家庭の問題や学校でのいじめの問題などをテーマとした作品であり、 ラストも登場人物が亡くなるという終わり方であるため、ここに音声ガイドをうまくつけられるか、戸惑いの声もありました。 ③音声ガイド講座3回目~8回目 (10月17日~ 12月12日) 1時間45分の映画を20分くらいずつに分けて、音声ガイドをつけていきました。 受講生が5班に分かれ、毎回4~5分の自分の持ち分に音声ガイドをつけるという宿題が出ます。講座のときにはその宿題を持ち寄り、発表し合います。 12 月12日の講座では、今まで受講生が作った音声ガイドの原稿を鈴木橙輔さんに監修していただいた内容を共有しました。 どうすればもっと分かりやすい音声ガイドを作れるのか、改めて復習しました。 講座の中で講師からは以下のような指摘がありました。 ・あだ名で呼ばれる場面などがあるため、登場人物の呼び方を揃えたい。 また、主要人物ではない場合や、本当にわずかしか出てこない人物には「客」「男」などを使う。 ・建物をマンションと呼ぶか、アパートと呼ぶか、また登場人物が住んでいる建物がどのようなつくりになっているかなど、人によって理解が違い、  表現もまちまちになったところがある。 ・言い回しが全部同じリズムになっていると、聞いている人が疲れてしまう。  主語を後に持ってくるなど、文体を入れ替えると聞きやすくなる。 ・説明が細かすぎる場合がある。セリフを聞けは推測できることはガイドは不要。 ・ガイドと実際の行動のタイミングを合わせることが大事。 受講生からは以下のような感想が出ました。 ・作品が始まってからどのタイミングで登場人物の固有名詞を出すか等、やってみないと分からないことがたくさんあった。 ・色々説明したくなるが、削る事が難しく、これからの課題。 ・一方に注力すると見落とすこともあるので、丁寧に作っていきたい。 ・見る人のイメージを掻き立てるガイドを作れるようにしたい。 ④誘導体験まちあるき (11月21日) 4名の視覚障害のある方にこ協力いただき、成果報告会の際に駅から会場まで視覚障害のある方を誘導する練習をしました。 階段、エスカレーター、エレベーター、お手洗いなどで、どのようなお声かけをすればガイドできるのかを学びました。 当日の様子は動画での記録を作成しています。 https://youtu.be/LzKWbV9CZQo ⑤成果報告会の練習会 (12月26日) 当初予定では視覚障害のある人を中心に外部からのお客様をお招きして、完成した音声ガイドを聞いていただき、 ご感想、ご意見をいただく会をこの日に実施予定でしたが、コロナウイルス感染拡大の状況になったため、規模を縮小しての練習会として実施しました。 ⑥ライブ音声ガイドの体験 (1月16日) 練馬区主催で「つながるフェスタ」という、区民の活動を紹介するイベントが行われているのですが、 今年度はコロナウイルス対策としてオンラインでのイベントとなりました。 様々な活動団体の動画がオンラインでアップされるため、その動画を見ながら音声ガイドをつけるというライブ音声ガイドに挑戦しました。 動画は練馬区協働推進課の youtube ページにアップされています。 https://www.youtube.com/playlist?list=PLOWvrvaUcG6leFjPuwUPa0IUg3wxdK5OB ⑦オンラインミーティング (2月27日) 緊急事態宣言中となったため、オンラインでミーティングをしました。 3 月20日の報告会の確認と、来年度の講座について、受講生、スタッフでアイデアを出し合いました。 ⑧活動報告会 (3 月20日) 12月26日に正式な報告会ができなかったため、3月20日に改めて企画をしました。 12月は感染拡大状況にあったために、スタッフ以外の視覚障害のある方の参加は難しかったのですが、3 月にはご参加くださった方がいらっしゃいました。 「映画の中で場面がよく変わるので、その都度説明があって分かりやすかった。 ただ、登場人物の髪型や服装などの説明がもう少しあると、どんな感じの人なのかのイメージがついてよかった。」 というご意見をいただきました。 当初の報告会の予定を延期しての実施であり、また、まだ緊急事態宣言が明けていなかったこともあり、人数は少なめではありましたが、 参加者全員の感想を聞くことができ、中身の濃い会になりました。 視覚障害のない参加者からは「音声ガイドというものがあることを初めて知って良かった」 「映画の邪魔にならないように分かりやすい言葉選びをするのが必要なのだなと思った」 「若いころ視覚障害関係の仕事をしていたことがあって、しばらく離れていたが、この機会にまた関わってみたいと思った」 といったご意見をいただきました。 5.受講生アンケート アンケートは、講座の初回、音声ガイドの初回、中盤、最後、まちあるき、最終回という形で、講座のポイントとなる回に合計6回実施しました。 ①オリエンテーション (2020年10月3日)回答者9名 〈1.性別〉男0名  女7名 その他(無回答)2名 〈2.年代〉40 代 4 名 50 代 3 名 70 代~ 2名 〈3.お住まいの地域〉練馬区内4名 練馬区以外の都内1名 都外 1名 無回答 3 名 〈4.今回の講座を知ったきっかけ〉 · SNS(ツイッター、Facebook、インスタグラム  ) 7 名 ブログ 1名(「音声ガイド」で検索した) 知人の紹介 1名 〈5.今回の講座に期待すること(複数回答可)〉 ・今後自分が映画を見るときに参考にしたい 1名 ・音声ガイドを付ける活動を継続したい 4 名 ・自分の活動に活かしたい  5名 具体的には?(上映会をするときの映画の選択肢が広がる) ・視覚障害者のことを知りたい4 名 ・ウイズタイムハウスの活動を手伝いたい 1名 〈6.今日の会はいかがでしたか〉 とても良かった 7 名 やや良かった 2名 ②3回目 (2020 年10月17日音声ガイドづくり初回)回答者6 名 〈1.今日の会はいかがでしたか〉とても良かった 4名 やや良かった 2名 〈2今回から音声ガイドを作る講座ですが、会の進行のしかたについてご意見を〉 ・進行は全体を通してわかりやすかったです。原稿に対しての講師のお二人の 指導が、自分のパートだけでなく勉強になるので、参加できない際の動画配信は大変ありがたいです。 ・セミナーの時間内に、班で発表しなかった人が質問もしくは意見することをこ承諾いただけるととてもありがたいです。  班で話し合っても、結局は二人とも素人なので、 どちらがより良いか、どんな情報が必要か判断しにくいこともあると思います。  また、セミナー以外に時間を割くことが難しい場合もありますので、予習以外はなるべくセミナーの時間に終わらせたいです。 ・視覚障害の方は、音声ガイドの機器をつけて映画をみることになるのでしょうか。 全体見えない状況です。  音声ガイドはかなり専門性が高く、朗読ボランティアみたいなわけにはいかないと感じました。 ・講評と感想の時間が内容が深くて良いのですが、やはりちょっと長めなので、時間を決めたほうが良いかなと思いました。  グループで相談する時間は確保していただけると嬉しいです。 ・初回しっかり教えていただいたのでイメージがついてきました。  時間がかかっても良いので、ちゃんと教えてもらえるのはとてもうれしいです。 ③5回目 (2020 年10 月31日音声ガイドづくり中盤)回答者4名 〈1.今日の会はいかがでしたか。〉とても良かった 3名 やや良かった 1名 〈2.連続講座も中盤となりましたが、これまでを振り返ってのご感想、また残りの会に期待することはどんなことか、ぜひお聞かせください。〉 ・音のリズムや、文章の座りが悪い、などの指摘が、とても参考になりました。  経験を積まないとなかなか難しいですが、そのレベルになるまで頑張りたいです。 ・ガイド資料などは最初に戴いてはいるのですが。段々分かってくるものです。 読解力、初体験など。頑張ります~ ・何度も映画の映像を観ることによって、作品への愛着も沸くものです。  素直に、簡潔に映像が伝わるようなガイドづくりを心掛けようと思いました。 ・実践的な講座で、やりながら学ぶスタイルで、理解が早く進む気がします。  最終的に上映会までやるというのが、プレッシャーながら、やる気につながります。 ・(アーカイブ視聴の参加者)どの回も、雑談の中に(講師陣のトピックスの多さ!) ヒントがたくさんあったと思います。  また、動画視聴の際は、皆さんが作った部分は映像を見ないで音声だけ聞かせてもらったりして、こんなふうに物語を味わっていくのかと感じました。  が、集中力がなく、講座は分程度で区切っているのと一回全体を通して見ているのでなんとかついていけましたが、  1時間超を通して鑑賞するためには、確かに余分な 情報は物語把握の妨げになるだろうなと思いました。 ④8回目 (2020 年11月21日誘導体験まちあるき)回答者6名 〈1.今日の会はいかがでしたか〉とても良かった 6名 〈2今日は誘導体験をしましたが、いかがでしたか。〉 ・特に、駅の上り下りのエスカレーターにこ一緒して、サポートされる側の方の 細やかなアドバイスを受けて、なんとか。 ・緊張しました。相手の立場になってが、 結構むずかしい…と感じましたが、今後、少しの経験でも生かせたらと思いました。 ・とても楽しかったです。実際体験してみて、本当に誘導する場面になった時に対応できるのか不安になったこともありましたが、  視覚障がいのある方が既にできることに頼ってもいい(コミュニケーションを通じて)ということも知り、これからは声をかけていけると思いました。  何ができて何ができにくいのか、どんな情報が欲しいのかを話せたことが何よりの収穫でした。 ・自分の目が見たものを全て伝えたくなってしまうけど、どこまで伝えたら良いのか、どこからがうるさいのか、と言うところが気になりました。 ・点字ブロックは片足だけ載せる、など、目から鱗の話があって、とても勉強になりました。 ・初めての事で、とても貴重な体験になりました。声をかける事、聞いてみること、  という入り口で躊躇してしまう事が多いけれど(そこで傷つく事も多々あるので)、 一歩近づけは良い事も沢山あるんだな、と思いました。 ・緊張しましたが、やってみないとわからないことばかりだったので、ほんとに勉強になりました。 〈3. 視覚障害のある人に聞いてみたいこと、一緒に活動してみたいことなど〉 ・許される時間の範囲で、ご一緒に語ったり、歌ったりできればと。 ・音声以外のコミュニケーションツールはどんなものがありますか?電話など同時刻を共有するのが難しい場合、メール、 SNSなど、互いに負担なく連絡を取り合う方法はありますか?また、連絡手段としてこんなツールがあれば便利だというものがあれば教えてほしいです。 ・一緒に旅行に行けたら楽しいなぁ。そして旨いものをわかりやすく案内できたら嬉しいなあと。 ・まずは、今後はもっとアンテナを張って、視覚障害のある人の活動などを知りたいと思っています。 ・やってみたくてやれていないこと、社会参加のためにバリアになっていること。 ⑤ 9 回目 (2020 年12月12日音声ガイド最終回)回答者 4名 〈1.今日の会はいかがでしたか〉とてかもっ良た 4名 〈2.今回の講座を受けて、音声ガイドができるようになったと思いますか?〉もっと練習する機会がほしい 4 名 〈3.初回のアンケートでこの講座に期待するものをお聞きしましたが、 講座を終えて今の「これからこうしたい」というお気持ちをお聞かせください。〉 ・今後自分が映画を見るときに参考にしたい 1名 ・音声ガイドを付ける活動を継続したい 3名 ・視覚障害者のことを知りたい4名 ・視覚障害者と仲良くなりたい2名 ・ウイズタイムハウスの活動を手伝いたい 1名 〈4.来年度ウイズタイムハウスの活動に期待することはなんですか?〉 ・別の作品での同様の講座の実施 3 名 ・自分の動画やオンラインイベントの際の音声ガイドの付け方講座 1名 ・視覚障害者との交流(お話する会、ランチミーティングなど) 3名 ・視覚障害者とのまちあるき 3名 ⑥10回目 (12月26日成果報告練習の会)回答者3 名 〈1.今日の会はいかがでしたか〉とても良かった 3名 〈2.報告会の感想をお聞かせください〉 ・予想以上に、外部の方が来てくれた印象でした。質疑応答もいくつか出てきて、充実感がありました。 そしてなんと言っても、橙輔さんのブラッシュアップされたガイドに圧巻でした! ・講座のまとめとなる実践の場、視覚障害の方々の参加が少なく意見が聞けなかったのが残念ですが、 晴眼の参加者の方々から色々な意見を頂けて、とても良い雰囲気の会 だったと思います。 ・橙輔先生のまとめた原稿が素晴らしく、なるほど!と膝を打つ場面が何度もあった。 参加者の感想にもあったが音声を補うガイドとしてだけでなく楽しめる側面もあると感じた。 スピーカーのお二人も素晴らしく、感動した。せっかく発言の機会があったのに、音声ガイド講座、誘導講座で感じた楽しさ、 発見を参加していない方にうまく伝えられなくて残念。人前で話す練習をしようと思いました。 〈3.今回の連続講座全般にわたってのご意見、ご感想〉 ・ずっと、視覚障害の方に映像をどのように伝えられるのか、と考えてきたので、今回の講座に出会えて本当に良かったです。  来年以降もぜひ実践で学びたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。 ・「面白かった~ !」の一言です。視覚障害の方と接することが人生初めてで、最初は緊張したけど、本当に良い時間を過こさせて頂きました。  zoom の利用は、便利だけれど、もどかしい所もありますね。みんなが使い慣れてくると、もっともっと面白い展開もあるのかも知れません。  これから楽しみにしています。 ・参加者、講師、運営スタッフ、モニター皆さんの魅力をそれぞれに感じて、心から好きになりました。  素敵な方々に会えて本当に参加できてよかったです。  ありがとうこざいました。 5.今回の活動の意義と今後の活動について ( 1 ) 活動の意義 ①視覚障害のある当事者がスタッフとして活躍したこと 講師の美月めぐみさんのほか、 4 名の視覚障害当事者がスタッフとして受講生をサポートしてくださいました。 このような取り組みを通じ、 「障害のある人がサポートを受け、障害のない人がサポートする」というステレオタイプ的関係性を崩し、 バリアのない人間関係を築けたと考えています。 今後も、音声ガイド作成の活動を継続する中で、障害のある当事者が中心に活動の企画をしていく取り組みを充実させていきたいと考えています。 ②視覚障害のある人に初めて接する受講生が、言葉によるガイドの意義を学んだこと 今回の参加者の中には、視覚障害のある人と交流する機会を持つことが初めての人もいましたが、 連続講座として学ぶ機会を持つことで視覚障害のある人と日常的なコミュニケーションをし、 映画などの作品を見るとき、また街を歩くときにどのようなガイドをすればお互いが楽しく過こせるかを学ぶことができました。 ③今回の受講生が来年度の新たな受講生候補を呼んでくれていること 今回の受講生で来年度以降も活動を継続したいと希望してくださる方も多く、 さらには友人に声をかけてくださっているため、来年度の活動では受講生がさらに増える見込みです。 ④他団体との連携につながったこと 今回の企画では、音声ガイド講座作成に「バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり」のこ協力、会場としてネリマベースのこ協力をいただきました。 また、ネリマベースを運営する青木秀仁さんからのこ紹介により、練馬区主催の「つながるフェスタ」の動画に音声ガイドをつける取り組みを実施することができました。 ( 2 ) 今後の活動 ①劇映画以外の作品への挑戦 初回の講座としては劇映画が取り組みやすいことから、 2020 年度は劇映画への音声ガイド作成を行いました。 2021年度の当面の目標としてはドキュメンタリー映画への挑戦を 考えています。 また、今後は、オンラインイベントに音声ガイドをつけるための講座や、演劇、プロレスなど様々なものへの音声ガイドヘの挑戦も考えていきます。 ②ライブ音声ガイドヘの挑戦 2020 年度、 「つながるフェスタ」の動画に音声をつけるという形で、ライブ音声ガイドヘの挑戦をしましたが、 2021年度以降、ライ ブ音声ガイドの学びも深めていきます。 ③他の地域活動団体との連携強化 今回、ネリマベースを会場としたことをきっかけに、練馬区の事業とのつながりができましたが、ネリマベースは情報のユニバーサルデザイン化にとりくむ Code for Nerimaの活動拠点でもあります。 Cod e for Nerimaとの連携を深め、区内の様々な情報のユニバーサルデザイン化を進めていきたいと考えています。 また、区内にはさまざまな映画を上映する活動をしている団体もあることから、そうした団体と連携し、地域活動に役立つ音声ガイドづくりも進めていきたいと考えています。 ④サークル活動化 音声ガイド講座受講後の方たちが継続して活躍できる場としてサークル「ウイズタイムボイス」の立ち上げも検討しています。 2021年度はまず、サークル活動の枠組み作りを進めていきます。 ⑤さらなるユニバーサルデザイン化に向けた研究 2020 年度の活動では、初めての取り組みとして、まずは視覚障害のある 人に焦点を当てた音声ガイドづくりに特化して実施しました。 今後は映像への字幕をつけること や、報告会開催時の手話通訳など、幅広いユニバーサルデザインヘの取り組みを進めていけるよう、研究を進めます。